「……ごめんな」

目を細める陽平は、申し訳なさそうに謝ってくる。

「いいって。もう気にしてないから、何度も謝らないで」

あの日、あたしがバイトを休んだことを千草から聞いた陽平は、まだ酔いがさめてなかったのか、泣きながら謝ってきた。

泣き上戸の彼がすごく面白くて、あたしは怒る気にもなれなかったの。

「ほら、起きて! もう食べるよ?」

作った雑煮をテーブルへ運んだ後、千草の体を揺する。

昨夜、遅くまで酒を飲んでいた彼は、コタツの中に潜って爆睡中。

起きない彼にため息をついていると、自分の部屋にいた陽平が戻ってくる。