自分宛に届いている年賀状が楽しみで、駆け足で下りた階段。

パジャマのままで玄関のドアを開けて、郵便ポストの中を覗く。

誰かが先に開けたのか、ハガキは1枚も入っていない。

早く見たくて、慌ててリビングへ向かう。

……そこには誰もいなかった。

テーブルの上に置いてある重箱の中は隙間がいっぱいで、あたしが好きなものは全部、食べられているようだった。

先に読まれていたのだろう。

ハガキは名前ごとに分別されていて、あたし宛のものはテーブルの端に置かれていた。

電気のついていないその部屋で、コタツに足を入れて、友達からのメッセージを読む。

家族はさっきまでこの部屋にいたのだろう。

コタツの中は少し温かかった。