台所のシンクで手を洗う俺は、先に腰かけている彼女の前に座った。

「え、2皿も食べれるの?」

3皿ともラップを剥がしていくから、一体、何をするのかと思っていたら、彼女は陽平の分も食べるつもりらしい。

「俺も半分食ってやるから、こっちに寄こしなよ」

黙って食べ始める彼女の前に、皿を持っていく。

だけど、彼女は俺に分けるわけでもなく、静かに口を動かすだけ。

強情な彼女に呆れて、ハァッとため息をついた。

「……陽平には、ハンバーグを作ってたことは言わないで」