「今日、寝不足だったみたいなんで、多分、もう家で寝てると思います」

適当な嘘をついて、俺は部長と2人で飲みに行った。

部長の行きつけの店は、常連客しかいれないメンバー制のバーだ。

「可愛いですね」

4歳になる子供の写真を見せられた俺は、いつものように愛想のいい返事をする。

「だろぉ。この目元が俺に似てると思うんだよ」

同じ写真を何度も見せられても、同じ褒め言葉しか思い浮かばない。

だけど、酔っぱらった部長は、前に見せたことなど忘れているのだろう。

顔を赤くしながらも、部長は自慢の娘を嬉しそうに語ってくる。