新年明けてから、今まで以上に働く俺は、朝から外回りばかりしていた。

「この後、花ブーとデートなんだ。だから、いらない」

遅くなるからと鍵を渡しに行くと、常盤はにんまり微笑んでそう言った。

いつの間にか、2人は距離を縮めている。

俺の知らないところで何があったのだろう。

「常盤も一緒に暮らしてるんだろ? なら、今から呼ぶか」

基盤先からの帰り、部長はグラスを持ったふりをしながら、陽気に笑いかけてくる。

……花と一緒にいるんだから、呼んでもきっと来ないだろう。