「あ、お茶なくなった。入れてくるね」

濃いものをガツガツ食べていた彼女は、ぬるくなったお茶をどんどん飲んだ。

きゅうすを持って、台所へ行く彼女。

どう接すればいいのか迷っている俺は、ぎこちなく「うん」としか言えなかった。

向こうへ行った花の後ろ姿をそっと眺める。

……女ってわからないな。

さっきまで泣きだしそうだったくせに、今はケロッとした顔で食いまくってるし。

「まぁ、そんなもんだろ」と呆れながら目を逸らした俺は、背後から聞こえた小さな音に敏感なほど反応する。