「ありがとう、花! ごめんな、疑って。これからはちゃんと信じるよ!」

大げさなほど、俺は満面の笑みで喜んだ。

口元に力を入れて「うん」とつぶやく彼女。

陽平は何も言わず、そのまま家を出ていった。

泣いちゃうのかな?

下を向いている彼女の目は、赤く充血していく。

今にも涙が溢れてきそうで……。

俺はそこまでして「ただのいとこ」を貫く彼女を、馬鹿馬鹿しく思った。