「陽平に……恋愛感情なんて持ってない」

彼女の声は少し震えているようだった。

箸をギュッと握りしめた手を横目で見ながら、陽平の様子をうかがう。

平然としているけれど、すぐに返事をしないところを見ると、それなりのショックを受けているのかもしれない。

「当たり前のことだろ」

少しの間を置いて、陽平は花にそう告げた。

目を細め、辛そうな顔をする彼女。

……ショックは花の方が大きいみたいだな。