夕方のやり取りを知らない陽平は、こそこそしている俺たちが楽しそうに見えたのだろう。 「やきもち?」 出ていこうとする陽平に問いかける。 図星をつかれてイラッとしたのだろう。 車のキーを持った彼は、玄関先でゆっくりと振り返り、何か言いたげな顔をした。 「……やくわけねぇだろ」 無愛想に返してくる。 言わせるのなら今だな、と思った。 「冗談だよ、マジになるなって。……そうだ、花。今、ここではっきり言ってくれよ!」