陽平は晩ご飯がテーブルの上に並べられた頃に帰ってきた。 今日も俺たちは、ぎこちない空気の中で食べている。 TVを見ている彼を意識しているのか、花は箸でおかずを摘まんでも口には入れず、また小皿の上に戻していく。 落ち着きのない彼女が面白くて、口元が緩んだ。 くすくす笑っていると、花はムッとした顔をする。 俺は彼女をからかいながら、どのタイミングで言わせようかと考えていた。 そのとき、だ。