「……で、何を見てたの?」

数分後、違う側面からコタツの中に入った俺は、殴られたあごを手でさすりながら問いかける。

「求人広告」

ブスッとした表情の彼女は、俺の前に見終わったチラシを持ってくる。

「そういや、新しいとこを探すって言ってたね」

「うん」

彼女はひじをついて適当に返事をし、赤いマジックで気になる広告をチェックしている。