部屋の中が暖かかったせいか、妙なほどに外の風を冷たく感じた。
軽く身震いをする俺は、コートのポケットに手をつっこみながら歩いていく。
「おもしれぇじゃん」
そこまで言うのなら、その違うってところを見せてもらおうか。
自分たちは特別だってところを、ちゃんと俺に教えてくれよ。
薄笑いを浮かべながら、俺は家へ帰っていく。
「あれ、陽平ちゃんは?」
家の中を見渡しながら、リビングにいる花に問いかけた。
「実家にタッパーを返しにいってる」
テーブルの上にチラシを広げている彼女は、コタツ布団を肩までかぶり、素っ気なく返してくる。