喜んで足を開く女を、しらけた目で見下ろす。

……これが現実じゃん。

自分が満たされるためならば、平気で人を裏切れる。

「好き」とか「愛してる」なんて言葉は、ただの飾りでしかない。


「どうしたの?」

途中でやめられて、女は首を傾げている。

「用事を思い出したんだ。悪いけど、続きは彼氏にでもやってもらって」

不満げな彼女ににっこり微笑む俺は、テーブルの上に金を置いて、ホテルを後にした。