……言葉に詰まった。

21歳になった花の姿に、ブレザー姿の彼女が重なっていく。

「ていうか、守ってほしいとか思ってないし。逆に、そういうのは……もういいから」

パッと明るい笑顔を見せられる。

「花、俺……」

もう1度、謝った方がいいと思った。

身勝手な理由で花を見捨てた自分が、いつまでも付きまとうのは嫌だから。

「だから、千草のことを追い出す必要はないよ。……2人より3人の方が楽しいじゃん」

ニコッと微笑まれ、俺は謝るタイミングを逃してしまった。

手を出してくる常盤を置いてでも、俺と2人になるのは避けたい。

きっと、そう思っているんだろう。