だけど、次に聞いた彼女の声は氷のように冷たかった。

「守るって何?」

横を通り過ぎていく家族連れを目で追いながら、ポツリとつぶやく彼女。

「陽平の守るって……どういうものなの?」

苦笑いで問いかけられる。

その表情はあのときと同じように硬く、その2つの瞳は昔の俺を映しているようだった。

昨夜のように、昔の俺たちが頭の中を流れていく。

その記憶は写真なんかよりも鮮明で、7年も経った今でも、昨日のことのようだ。