笑いかけているのに、花はうんともすんとも返してこない。
20センチ以上も上にある俺の顔を、ぼんやりした目で見つめてくるだけ。
周囲は騒がしいのに、俺たちの時間はゆっくり流れていた。
何か言いたげな瞳、どこか苦しそうな表情。
俺は、さっき見た彼女の動揺を思い出す。
常盤と何かあったのだろうか?
もしかしたら、俺に気を遣って、言いだせないことがあるのかもしれない。
「常盤に何された?」
真剣な声で問いかける。
すると、彼女はハッと我に返り、顔を背けた。
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