「あああ!!」
手元を狂わせ、彼女は木にかけていた紙をビリッと破いた。
俺は瞬時に見た彼女の反応を変に思い、目を細める。
「どうしよう、絶対……呪われる」
ちぎれた部分を見下ろして、涙目になる彼女。
近寄った俺はそんな姿に微笑して、2枚に別れたくじを取り上げる。
そして、ポケットの中に入れていた自分のくじに、それを重ねた。
「こうやれば木にくくれるし、中吉と一緒だから運気も上がるんじゃない?」
2枚重ねにして折りたたんだくじを木の枝に結びつけ、彼女を安心させる。
最初から俺がくくってやれば良かったのかも、と思いながら。