手を動かしながら返事をする彼女は、結ぶことに夢中だ。

「あいつらしいな」

言っているところが想像できた俺は、常盤の独特な考え方にくすくす笑う。

「そういや、昨日、あいつに何されたの?」

聞きそびれていた話を思い出し、続けて質問をする。

「どうせ、喧嘩の原因なんて大したものではないのだろう」と思っていた。

2人がじゃれ合うのは毎日のことだし、犬と猫を同時に飼った気分でいる俺は、話のネタの1つとして、その話題を持ち出したんだ。

なのに、急に彼女は動揺し始める。