女は占いとかに敏感だから、凶を引いた花も大きなショックを受けているのだろう。
彼女は無理をしてでも、くじを高い位置にくくろうとしている。
少しでも高く、良くなりたい。
きっと、そんな風に考えているのだと思う。
「昨日も引いたんだろ? 常盤は何が出たの?」
足をふらつかせている彼女を笑いながら、俺は何気ない話題を振った。
あいつなら「大吉」とか出してそうだな、と考えながら。
「あぁ、千草はしてないよ。1年の運を勝手に決められるのはヤダ、って言ってた」
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