その質問で新聞を広げていた俺は、一瞬、顔を強張らせた。
「……いや。……2年くらい、話さない時期もあったな」
何て答えようか迷った結果、俺は正直な返事をした。
新聞で顔を隠す俺に理由を深く聞くこともなく、常盤は「ふーん」とつぶやくだけ。
変に思われないよう、俺は平静を装いながら、新聞のページをめくっていく。
頭の中で、中学2年の俺たちを思い出しながら……。
翌日、朝早くから家を出た俺と花は、近所の神社に訪れていた。
花は到着してから「昨日もここだった」と言ってきた。
もう少し早く言ってくれれば、ちょっとでも気分転換になるよう、場所を変えたのに。