「良かったねぇ、花ブー。陽平ちゃんと一緒に行けば、俺との悪い思い出を塗りかえれるもんね」

微笑み合う俺たちを静かに見ていた常盤は、くすくす笑いながら花に囁いた。

ムッとした顔をする彼女は、鋭い目を常盤に向けていく。

何のこと言っているのかわからない俺は、またくだらない喧嘩が始まるのかと呆れながら、たまっていたタバコの灰を捨てた。


「本当に仲がいいよね、お前らって」

洗い物を終わらせた花が風呂に入っているとき、常盤がTVのチャンネルをかえながら話しかけてきた。

「ずっとこんな感じなの?」と聞いてくる彼は、ごくごくと缶ビールを飲む。