いつか無くなるのなら、最初から何もいらない。 どうせ裏切られるのだから、もう誰も信じたくない。 期待なんかするもんか。 何も持たずに1人でいるほうが、全然、楽だ。 そう思ったことは何度もある。 だけど、馬鹿なあたしはまた人を信じて、大切なものを手にしてしまう。 そして、ふりだしに戻るたび、また同じことを考えるんだ。 何年経っても忘れられない、あの笑顔とぬくもりを思い出しながら……。