「あぁ〜、奈穂愛されてたのね〜」
そのことをいつもの3人に話すと
最初に返ってきたのはうっちーの言葉
「愛されてた…………うん。それは伝わってた」
伝わり過ぎてたから辛かったんだよ
「にしても、まぁ~続かないよね!」
「う”っ……あいりん……」
「確かに奈穂は続かないわね」
「みのむ〜泣」
「ホントのことでしょ?」
「…………そう………だけど」
そうだ______
私が悩まされた男の人は拓人だけじゃない
「まずはー、嘉人くんだっけ?」
「嘉人は……流れで?」
中1で同じクラスになった嘉人
私に一目惚れしたとか何とか周りがごちゃごちゃ言うから
何か私も嘉人も変に意識しちゃってお付き合いまで進展した
あとから聞いたけど、一目惚れは事実だったらしい
「3ヶ月だっけ?」
「は、半年続いたもん」
お互い似たような性格だったから
喧嘩が続いて結局は私がふった
「でもあの時はそれからが大変だったよねw」
”俺が悪かった”
”もう一度やり直そう”
そんなことを3ヶ月言われ続けたってなぁ
「でもあれが初恋だったからなぁ」
「奈穂の処理が1番大変だったのが大翔くんよね!」
「え”……………」
「確かにー!あの時の奈穂は泣いて泣いて泣い……」
「もぉ過去でしょー?!」
「あははっ、号泣だったもんね~」
田中大翔___
明るくて面白くてムードメーカー男だった
隣のクラスだったこともあって
よく廊下とかで見かけてたっけ…………
でも………
「あれは酷い男だったね」
「う”………それは……」
でも悪い噂もたくさんあった
噂に疎い私がそれを知ったのは
大翔にフラれたあとだった
「あれは何ヶ月?」
「2ヶ月……」
「でも男の方はすぐ彼女作ってたよね」
「別れてから今の彼女で3人目かな」
「もう奈穂も元元元カノだねーw」
「う、うるさぁい!」
いいもん、最初から大翔なんか
顔がいいだけの能無し男だったもん!
絶対俺からはフラないとか告白してきてさ!
結局は”冷めた”でフルんだもんね
「でもそのあとは奈穂が悪かったね」
「………………うん」
大翔のことで傷ついてた時に
幼馴染みの啓介からコクられたっけ
その時の私はそばにいてくれる人が欲しくて
OKしちゃって…………
楽しかったけど何か違ったんだよね
啓介といるのは彼氏ってゆーかもっと特別で
家族みたいな感じだった
啓介もそれに気付いてたのか2ヶ月たったある日
”俺に付き合わせて悪かったな”
そう言われて私達は元の幼馴染みに戻った
「啓介くん、可哀想よね」
「まだ奈穂のこと好きなんだよ、きっと」
「でもそれを言うなら拓人くんもよね」
「…………ごめんなさい」
拓人は急にlineの友達に入ってきて
何か急に話すようになったんだよね
それから1ヶ月後くらいに告白されて
お互いそういう雰囲気になってたから
すぐにOKした
でも、そこからは私の人生で1番最悪な日が続いた
”調子のんな”
”早く別れろ”
”何でブスが選ばれるの?”
イジメも結構あったなぁ
それだけ拓人が人気だったってことだけど
でも何か…………うん
すっごく自分でもわかんなかったんだけど
半年たってから拓人からのデートの誘いも
拓人からの愛の言葉もキスも
全てに吐き気がしてくるようになった
自分でも気づかないうちに無理して
ストレスを感じていたらしい
最初は我慢してたけど
もうすぐで1年となってた1月のある日に
フラさせていただきました。
「拓人くんとなら1年続くと思ったんだけどな」
「わたし自身も思ってたよぉ……」
「でもそんな奈穂が転校しちゃうなんて」
「東京に行ってもこれまでの経験を生かして男を選びなさいよ!!」
「え、アドバイスするとこそこ?!」
「寂しいから1ヶ月に1回は連絡したげる!」
「え、少なくない?!」
「「あー、東京いいなぁ!!」」
み、みんな………
でも、こんな会話をする時間も残りわずか
そう思うと自分はけなされてるのに
何故か誇らしい気分になっていた____