「ぅ……………ぅぅう……ヒック」
「ほーら、泣かないの」
「だって………っ」
あれから時はすぐに過ぎ
出発の日がやってきた
休日なのに3人は見送りに来てくれて
「ぅ…………ヒック」
「ぶはっ……変な顔w」
結局泣いているのは私だけです。
「可愛い顔が台無しよ?」
「か、可愛くなんかないもん……ぅぅ」
「あ、そうね。奈穂は普通だわ」
「な、!そこは否定しなくても!」
「先に否定したのは奈穂でしょ?w」
「それはぁ!売り言葉に買い言葉……ん?」
「それ違うでしょ笑」
「しゃ、社交辞令よ!」
ピロリロリん
『成田行き、255便を御利用の皆様__』
「あっ…………」
もう…………………行かなきゃ
嫌だ……………
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
誰一人として口を開こうとせず
まるで最後の別れであるかのように
私を悲しそうな目で見つめてくる
「そ、そんな顔しないで笑」
笑ってみせたけど、正直笑えてるかわかんない
「私は、ここに引っ越してこれて良かったって思う。最高の友達と最高の思い出をたくさん作ることができた。それはこれからも変わらんよ。みんなは私の唯一無二の存在だよ!」
涙で視線が霞んでいくなか
必死で笑顔を作って投げかけた言葉
みんなに伝わったよね__
「なに当たり前のこと言ってんの?」
「唯一無二ってw私ら3人いるんやけどw」
「その笑顔はキモいわよ~」
「……………ふふっ」
伝わってる____そう思う
「じゃぁ………またね!」
”ばいばい!”
そうは言いたくなかった
もう二度と会えない気がするから。
「おうおうはよ行け~」
「ばいば~い奈穂!」
「ばーいば〜い」
「……………ww」
最後まで相変わらずだなぁ〜
でも見えちゃったよ
最後のエスカレーターで見えなくなる直前
みんなの目に光るものを。
「ありがとぅ…………」
最高の友達だった___
ううん、最高の友達なんだよ今でも。
それは、これからも。
……あ、ばいばいって言いやがったな2人w
人がせっかく言わないようにしてた言葉を!
でも、これが私達らしい別れ方
「絶対会いにいこ……」
その言葉は小さく発したはずなのに
なぜか飛行機へと続く廊下に
無性に響いたような____気がした