部活紹介が始まった。
テニス部の紹介では諒生が真剣な表情で
新入生に説明をする姿があった。
実際にテニスをして見せた時の諒生は
キラキラと輝いていた。

「あの先輩かっこいい!」

ってはしゃぐ新入生。
諒生さんこれ以上モテてどうするの…。

でも、バスケ部の紹介になると
深善楡也を見てはしゃぐ新入生がいた。
………あんたら外見かい…。

「あれ私の彼氏なんだよね。」
「え?皆の彼氏でしょ?本人言ってたけど?」
「なにそれ!」
「かっこいいから許しちゃうってやつでしょ。」

皆の彼氏って…。

「アイドル気取りでうっざいよな。」
「男子、何僻んでんの。」

どうやら、深善楡也の評判は男女で大きく分かれるらしい。
諒生の評判は男女同じくらいなんだけどな。
そう考えると諒生って凄い。

「バスケ部に入ると俺に会えるよー!」

深善楡也が先輩から堂々とマイクを奪いマイクを独り占めする形に。

「おいこら、深善!」
「顧問こんなんだけどバスケ部をよろしく!」
「お前、後で職員室来い。」

「あーあ、深善のやつ後で顧問に怒られるわ。」
「スター気取りしてるからだろ。」

そうそう。ざまあみろ。って
私も思ってしまった。

「楡也、可哀想。」
「なんも悪いことしてないじゃんね。勧誘しただけでさ。」
「そうそう。」

深善楡也。
こいつにだけは本当に関わりたくない。

「あ、楡也帰ってきた!」
「楡也、大丈夫だった?!」

たくさんの女の子が集まる。

「ああ、大丈夫大丈夫!練習通りにいかなくて顧問が俺に当たっただけだからさ。」

「顧問酷い過ぎ!」
「楡也に当たんなくてもいいじゃんね。」

練習通りに行かなかったのは君が
マイクを先輩から無理やり奪ったからでは。

「サワ、俺どーだった?」
「あ、諒生。おかえり。」
「ちゃんと喋れてたかな。めっちゃ不安。」
「喋れてた喋れてた。1年生がきゃーきゃー言ってた。」
「……そっか。」
「私のことは見てた?」
「稔ちゃん!…じゃない、稔!」
「私は佐羽ちゃんのこと見てたよ?佐羽ちゃん染岡のこと見てたよね〜。」
「え。」
「あ、いや…だって諒生が見ててって言うから!」
「……だってよ。初瀬、お前もう口開くな。」
「なんでよ!佐羽ちゃんと話したいんだけど私。染岡とじゃなくて佐羽ちゃんと話したいのね私。」
「サワは話したくないって。」
「佐羽ちゃんそんなこと言ってなくね?!」
「いいから。お前は席戻ってろ。」
「…はいはいわかったわかったわかりました。ったく…佐羽ちゃんと話したいだけなのに。」

「本当にめんどくさい、あいつ。」
「仲良いんだね…。」
「そうなのかもね。…でも1番の女友達サワだから。」
「………う、うん。」

私は諒生にとって1番の“友達”。
これは何があっても変わらないことなんだろうな。