ぼーっと考えている間に時間が経っていて、気づいたら夜中の1時を少し過ぎたところだった。

このまま考えていても仕方ないので目を瞑る。
何も考えないようにしているうちに意識は薄くなっていく。




夏休みだ。
アラームもセットしていない。
なのにiPhoneが鳴り響いている気がする。
無意識に手を伸ばしてiPhoneを取ると画面にはお母さんからの着信と出ていた。

画面をスライドさせて電話に出る。

『もしもし?紗綾?』

「もしもしー。なに、お母さん。」

『なに?じゃないでしょ。いったいいつ帰ってくるのよ。連絡も全然くれないし。』

「ごめん。お盆くらいには帰るから。」

『お盆?遅いじゃない。もっと早く帰ってこれないの?』

「課題とかあるし、私にも予定あるのよ。」

電話口でまだ何か言っているけど寝ぼけていてよく分からない。
とりあえず早く帰って来いとのことだ。