「おい、起きろよ。」
体を揺さぶられて目が覚める。
ぼーっとした頭で周りを見回すと、そこは電車の中で降りる駅の少し前だった。
「あ、降りる。」
「うん、次。だから起きろ。」
「起きた…。」
「寝ぼけてんのかよ。」
中途半端に寝たからだろうぼーっとしてしまう。
言われていることは分かるのに上手く反応できない。
それからすぐに電車は最寄駅に着いて、優馬はフラフラしてる私の手を引いて電車を降りる。
荷物まで持ってくれている。
悪いなと思いながらも楽だと思ってしまう。
改札を出るとさすがにもう意識ははっきりしてるのでカバンを受け取る。
「ありがとう。やっぱりここまででいいよ。」
「ここまで来たんだから送る。行くぞ。」