「何言ってんか分かってんの?」

私の真意を探るようにじっと見つめられる。
私はその瞳を見つめ返して答える。

「分かってるよ」

優馬はそれ以上何も言わずに頬に手を添える。
そっと顔を近づけて触れるだけのキスをした。

「紗綾、嫌だったら殴って」

そう言うと今度はもっと深く長く口づける。
苦しくて口を少し開けるとすぐに舌が入って私の舌を絡めとる。

「んっ」

零れる吐息が耳について恥ずかしい。
でもやめて欲しくない。

一度離れた唇。
優馬はそっと指先で私の唇をなぞる。

「可愛い。赤い顔して」

目を逸らすと体を引き寄せられる。
見上げれば見たこともないような顔で私を見る。

「ベッド行く?」

これで決まる。
これからが…。