あたしはほんの少しの期待を胸に抱きながら、恐る恐る口を開く。 「五十嵐くんは、あたしの名前知ってるんですか・・・?」 ずっと、心に引っかかってた疑問。 つ、ついに聞いてしまった・・・。 これで、知らないって言われたら立ち直れる気がしないかも・・・。 両手でギュッとスカートを握り締めた時、 「ーーー安永里緒菜、でしょ?」 彼の声が聞こえた。