昼休みが終わる間際ということもあり、ほぼ二人きりの廊下に響く彼の声。 「あ、ううん・・・。でも、ちょっとびっくりしちゃいました」 顔の見えない五十嵐くんに冗談交じりでそう告げると、背中の温もりが消える。 そして、拓人くんのいた位置に立つと苦笑いを浮かべた。 「君とたくが、喋ってて焦った」 「・・・え?」 なんで、五十嵐くんが焦るの・・・? 思ってもみないことを言われ、あたしの口から素っ頓狂な声が漏れた。