「拓人、くん・・・」 「ん、なに?」 「教えてください・・・」 うつむき加減で、呟いた言葉。 これでやっと、教えてくれる・・・。 あたしはホッとため息をついた。 なのに、拓人くんの声は一向に聞こえない。 「ねぇ、拓人くん!?」 それを不審に思って、パッと視線をあげた時だった。 「ーーーなにしてんの?」 あたしの後ろで、五十嵐くんの声が聞こえたのは。