なぜ、この人が学校の人気者なんですか? 「拓人って呼ばないし、てか、呼ぶ必要ないですよね?」 そうだ! 拓人って呼んでも、あたしになんのメリットもないじゃん! これ以上、永峰くんに付き合っても疲れるだけと思って、彼の横を通り過ぎようとしたのに、 「・・・知りたいんじゃないの?」 さっきとは違う声のトーンが耳に届き、一瞬足をとめる。 「何もないです!」