「さぁさぁ、上がってちょーだーい」
結局、二人で繰り広げられた「いずれ」の意味が分からないまま・・・
あたしは、五十嵐くんのお母さまに促されスリッパに履き替える。
「母さん、食べるもんない?」
「今から作るとこ! スパゲティだけど、いいかしら?」
「・・・いい。りおは、スパゲティでもいい?」
「はい! スパゲティ嬉しいですっ。いきなり、来てしまったのにすみません・・・」
リビングに繋がる廊下を三人で歩きながら、そんな会話をする。
「もう、そんなこと言わないの! 里緒菜ちゃん、大歓迎よ!」
五十嵐とあたしが並んで、その前を歩くお母さまは振り返ると満面な笑みを浮かべてくれる。
あたしも、その笑顔に安心しきってしまって、ぺこりと頭を下げた。