左手に感じる温もりにドキドキしながら、五十嵐くんに連れられるまま歩いて、約十分。
ここは、どこ・・・?
あたしは辺りを見渡し、心の中で首を傾げた。
さっきまでいたにぎやかい街とは違って、一軒家がたくさん並ぶ静かな住宅地。
お昼ご飯を食べれるようなお店は見当たらないし、
・・・一体、五十嵐くんどこへ向かっているんだろう?
って、聞くタイミングはいくらでもあったんだけど・・・
繋がれている手に意識しすぎて、それどころじゃなかったのだ。
「・・・五十嵐く、」
「ついた」
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