「あ、え、いや、え?」




ポカーンと口を開けて、五十嵐くんを見つめる。





五十嵐くんの瞳は、あたしの向こうでもなく右でもなく左でもなく、しっかりあたしを捉えている。




それが、五十嵐くんの一緒に、を誰を指しているのか・・・って、分かってしまうわけで。





一緒にって、五十嵐くんとあたし、の二人ってことだよ、ね?





「ほら、なにそんな顔してんの? 俺、お腹すいたし行くよ」





彼は雑誌を元の場所に戻して、ボーッと突っ立っているあたしの手を握ると、本屋さんを後にした。