その理由を考えているとホッと胸を撫で下ろすような五十嵐くんの声が耳に届いた。 その声にあたしはハッと我に返り、とっさに謝る。 「ご、ごめんなさい! 驚かせるつもりはなくて・・・」 「いや、俺も自分の世界入ってたし」 ・・・全然、五十嵐くんは悪くないのに。 決してあたしだけのせいにしない言葉に思わずキュンと胸が高鳴って、笑みが溢れた。 「え、俺なんかおもしろいこと言った?」 「あ、いや・・・そのなんでもないです!」