「ただいまー!」
靴を雑に脱ぎ捨てそのまま急いでリビングに駆け込む。

「あれ、お母さん、お姉ちゃんまだ帰ってないの?」

「ええ、誕生日だし、友達と色々喋ってるんじゃないかしら?」

「そっかー、とりあえず着替えてくるね!」

そう言って自分の部屋に戻った。



チクタクチクタク……




いつまで経ってもお姉ちゃんは帰ってこない。

もう、22時。さすがに遅すぎる。

「ねぇ、いくらなんでも遅くない?」

プルルルル…プルルルル…

タイミングよく電話が鳴った。

「はい、もしもし。…ええ、平塚ですが…警察??」

ドクドク

なんだろう、物凄く嫌な予感がする。

「そんな…うそですよね?そんな…」

泣き出す母

ドクドク

心臓の音がより一層高まる。

「ね、ねぇ、どうかしたの?」

「お姉ちゃんが…お姉ちゃんが…殺されたって…」
















…そのあとの記憶はあまりない。

でも、お姉ちゃんが死んだのは紛れもない事実だということははっきりとわかった。

遺体確認したら、確かに、そこには、
綺麗で、優しくて、頭のいい、私の大好きなお姉ちゃんが寝かせられていたのだから。

綺麗な顔に複数のあざ

ねぇ、お姉ちゃん。何があったの?お姉ちゃん。




2009年の夏。

このとき私は小学6年生。

姉は17歳という若さでこの世を去った。