「ねえ、紗蘭ってなんで好きな人いないの⁇」


新学期が始まって、
数日が経ったある日の放課後。

私は司の家で、凛と
小学校からの親友の優樹と遊んでいた。

「なに、司。紗蘭が好きな人できないの知ってるでしょー」

それぞれ、iPhoneをいじりながら、みんなで恋話をしていた。
中学生って、恋話好きだなーって思いながら。

「おかしいよねー。付き合ってても好きじゃなかったんでしょう⁇」
優樹が言う。

「別に、友達以上に好きだったし。」
私の話になると、いつもこの話をされる。
告白されて、好きになれると思って付き合ったけど好きになれなかっただけなんだけど。