「ちげぇよ。高校生なのに、上京とか珍しいなと思ってよ」





なるほどね。



つまり、私がどの県からきたのかってことか。






「生まれも住みも、ずっとここ。」



「は?まじで?じゃあなんで…。」






彼の足がピタッと止まった。


まだ、こっちを、むいてはいない。





「馬鹿なの?ここまできたら察したら?」





両親いないって言わせる気?


まぁ、別にいいけど。





「いや、あの…。」





彼は、ようやく私のほうを向いた。


目が合う。






「いないってことか…?」




気づくの遅いなぁ




察してほしかったんだけどなぁ。






でも…、お母さんが死んだのだって、ヤンキーのせいだから。




気持ちなんてわかってもらわなくてもいいかも。