「……。」
無言で2人、階段を登る。
気まずいんだけど…。
だって、前回逃げるように別れたから、もう二度と関わることないと思ってたのに…。
まさかこんな形で再会するとは。
「おい」
上から声が降ってくる。
こっちを向かずにひたすら進みながら私に問いかける。
「なんで、ここで住み込みでバイトするわけ?まだ高校生だろ」
あぁ、そんなことか。
「お金足りなくて、家賃払っていくのも厳しそうで。そしたら、声をかけてもらえたから。」
「家賃?お前独り暮らしだっけ?」
「そうだよ」
ちっこいアパートだったけどね。
前は2人、今は1人。
「どっから出てきたんだ?」
「は?」
出てきたのって?
土とかいってほしいの?
私はもぐらか?