「前、見たいか」
「見たい」
「即答だな」
「うん」
…暴走族を、抜ける。
それって大きすぎる覚悟だよね?
「ついてこい」
咲人に手を引かれて、不良たちの中に埋まる。
咲人が通ると、みんな道をあける。
周りからヒソヒソとなんか声が聞こえるけど、もういいや。
「七彩」
咲人にそう私に声をかけるのを合図に、グイッと手をひいた。
「…あっ、」
それと同時に、不良の山からでる。
つまり、飛鳥たちの目の前にまで出てきた。
「七彩?なんでお前、前に…」
出てきてるんだ、と飛鳥は言おうとしたのだろう。
けど、それより先に、
「飛鳥、コイツ、前来たいって言ったから。
ここにいてもいいよな?」
咲人がフォローしてくれた。