「殴ら、ないの?」
あれ、私こんなオドオドしたやつだっけ。
ダメだ。
ヤンキーのこと考えてて、目の前にいる彼にさえ冷たい態度とってた。
私の、悪い癖だ。
「殴るわけないだろ。
俺、言わなかったっけ?お前を姫にするって」
まぁ…、言ってたような気もするけど。
まだそれ覚えてたの?
「諦めねぇよ、絶対に。
俺はお前が気に入ったんだ。」
「なんで。」
「なーんか、俺たちのことが、
嫌いそうだから。」
…えっ、あれ。
バレてる?
私、姫になるのは必死に断ったけど…。
ヤンキー嫌いなんて言ってない…。
…いや、暴走族嫌いって言ったか。
でも、それは正統派とかどーのとかで。
それでも私がまだ嫌いだなんて。
やっぱ態度にでてた?気づく?
「気づくに決まってんだろ。最初、ひっどい目で俺らのこと見てたぞ」
ひどい目…!?