「……隼人?」
「……」
そのままジッと見つめてくる隼人に、不思議に思った私は声をかける。
名前を呼ばれてハッとしたように、隼人は私から手を離した。
「……栗原の顔、すげーぐしゃぐしゃ。涙で」
「う」
少しの間黙りこんでいたあと
今度は手の甲を近づけて、隼人が私の涙をぬぐう。
そしてすぐに私から背を向けると、どこか足早に歩き出した。
(……よっぽどひどい顔だったのかな、泣いて)
そう思い聞かせようとはするものの、
頬にはまだ隼人の手のひらの感触がはっきりと残っていて、心臓がドクドク波打ってしまっている。
しばらく立ち尽くしていた私に、離れた場所から振り向いた隼人が呼んできた。
「栗原ー、なにしてんだよ。置いてくぞ」
「あ、うん待って…!」
隼人の言葉で、私は急いでタタタッと走りだす。
…ふと夜空を見上げると、やっぱり雲ひとつ浮かんではいなくて。
でも代わりに明るく綺麗な星がいくつも、瞬いていた。
「……」
そのままジッと見つめてくる隼人に、不思議に思った私は声をかける。
名前を呼ばれてハッとしたように、隼人は私から手を離した。
「……栗原の顔、すげーぐしゃぐしゃ。涙で」
「う」
少しの間黙りこんでいたあと
今度は手の甲を近づけて、隼人が私の涙をぬぐう。
そしてすぐに私から背を向けると、どこか足早に歩き出した。
(……よっぽどひどい顔だったのかな、泣いて)
そう思い聞かせようとはするものの、
頬にはまだ隼人の手のひらの感触がはっきりと残っていて、心臓がドクドク波打ってしまっている。
しばらく立ち尽くしていた私に、離れた場所から振り向いた隼人が呼んできた。
「栗原ー、なにしてんだよ。置いてくぞ」
「あ、うん待って…!」
隼人の言葉で、私は急いでタタタッと走りだす。
…ふと夜空を見上げると、やっぱり雲ひとつ浮かんではいなくて。
でも代わりに明るく綺麗な星がいくつも、瞬いていた。