「じゃ、じゃあせめて何か今私が、隼人の願いごと叶えるよ。あんまり高価なものとかは無理だけど…」

「いや、いいって」

「でも…!」

「……じゃあ、1個だけいい?」

「うん」


私の押しに、どこか根負けした様子の隼人。



少し困ったように首の後ろへ手をまわしていたあと

まっすぐに私を見つめて、こう答えたんだ。



「栗原の笑った顔が見たい」