「……」

「お、うま」


歩きながらお菓子を一個つまみ食いする隼人の後ろで、私はとっさに立ち止まる。

そして思いきったように名前を呼んだんだ。


「ねぇ隼人…!」

「え、なに」

「今日はお誕生日、おめでとう」

「……」

「言うの遅くなっちゃってごめん。
でも実は私、今年はプレゼント用意してなくって…」



あげく、本人に家まで送ってもらってるなんて…


申し訳なく思う私の気持ちとは裏腹に、隼人は何てことない様子で笑った。


「いいよ。栗原からそれ聞けただけで十分」

「……」

「ありがとな」


なんで

何で今、こんな気持ちがするんだろう。



隼人の笑った顔見たら

胸が苦しくなって………