泣き腫らした顔を隠すようにして歩く私に気付いているのだろうか。
私の歩くペースに合わせながら、その少し前を歩いてくれる隼人。
その優しさが今はすごく心に沁みていくと同時に、今になってようやく恥ずかしさが込み上げてきた。
「…あの、隼人」
「ん?」
「今日はごめん。その、取り乱しちゃって…」
「いいよ。気にしてない」
「でも…」
いつまでも煮え切らないでいる私に、
隼人は何かを思い出したのか、手にしていた紙袋からある物を見せてきたんだ。
「つーかこれ、栗原も食う?」
「?」
「泣いて腹減ったろ」
そう言って、隼人が私に手渡してきたのは…お菓子。
見覚えのあるパッケージにハッとする。
…あ、これ
ユカリ達からの“誕生日プレゼント”……