「先輩、休みかな…」

「隼人に聞いてみる?」

「えっ?ううん!いい。大丈夫…」


ユカリの言葉に、私はあわてて首を横に振る。



“広瀬先輩は、やめとけよ”



…あんな話をした手前、
せっかくの誕生日に、先輩の事を聞くなんて出来ない…


そう思って遠慮していたものの
いつまで経っても広瀬先輩が現れる気配はなくて。


不安がピークに達した私は、とっさにベンチから立ち上がる。



「っごめん、私…ちょっと探してくる」

「えっ、探すって?ちょ、ちょっと優衣!?」



後ろでユカリ達の引き止める声も聞かずに、私はここから走り出していた。