「隼人のやつ、どこに居んだろ?」

「いないね。ちゃんと約束通り来たってのに」


内心、怖気づく私の心境をよそに、

隣ではユカリ達が、なかなか姿が見えない隼人をしきりにキョロキョロと探している。


…や、やっぱり今日は止めにして、ち、違う日にでも…


そんな二人を見て、思わずそう口走りかけそうになった時。

私の視界を、ある人の姿が目に飛び込んできた。


あ……



「広瀬ー!」


大勢のサッカー部員達が同じようなユニフォームをまとい、
広いコートでそれぞれに活動している中


一人スラッと背が高くて、ひときわ誰よりも目立って見えたその人は、


すぐにあの――広瀬先輩だと分かった。