「もーほんと隼人ってば落ち着きないんだから。男子って何であんないつまでも子供なんだろ」


風のように走って行った隼人を見て、ユカリが呆れたように呟く。

その言葉に、私も頷かざるを得ない。


「でも良かったね優衣!隼人が先輩にうちらのこと紹介してくれるって!」

「う、う~ん…」

「優衣ってば嬉しくないの?これってすっごいチャンスじゃん!」


もちろん嬉しいし、ユカリには感謝してるけど、
なんだか急展開すぎて気持ちが追いつかないや…。

だって先輩のことはいつも遠くから見てるだけだったのに
いきなり紹介とかどうしよう。


てか隼人に任せて平気かなぁ?


でもユカリの言う通り
これって凄いチャンスなんだよね。

あの広瀬先輩に少しでも近づける、チャンスかもしれないんだから。


がんばろう!!






――そう意気込んで迎えた放課後

私はユカリ達と一緒に、サッカー部が活動する校庭へとやって来ていた。


視線の先には、練習に励んでいる人や、水分補給をとっている人。

中には私達の存在に気づいて、なんだなんだ?とこっちを見てくる部員の人たちまでいる。


…なんか、一気に緊張してきた。