「ねぇ優衣。今日の放課後さ、先輩のサッカー部見に行かない?」

「え?今日?」

「いきなり急接近とかは難しくても、毎日部活を見に通うくらいはしてみようよ。そしたら顔、覚えてもらえるかもしれないじゃん」


ユカリの思わぬ提案に、私は持ち直した箸を落としかけそうになる。


「ま、毎日…?でもそれってなんかストーカーみたいで逆効果なんじゃ……」

「もーつべこべ言わない!別に邪魔するわけじゃないんだから。ただちょっと離れた場所から見物するだけ」

「え、えぇ…」

「ね!私とみーも誘っていっしょに付き合うからさ。それならいいでしょ?」


内心気が進まないながらも

ユカリの気迫に押された私は思わずゴクリ、と息を飲むと首を縦に動かさざるを得なかった。


「わ、わかった……」